ライムライト/ウデラコウ
 
暗闇に沈む代々木上原の駅を通過したところで
冬を覚え出した空の下
初めて君に抱き締められた日を思い出した

遠く とおく

君は去ったとしても

思い出はまだ僕をがんじがらめにして
放してはくれない

あのとき君は笑っていたんだっけ それとも

肝心なことは忘れて残るまやかしの温もりだけ
また抱き締めて

進もうにもこの道はきっと
二度と君と交わることはないのだろうけど
それでも
君の声が響くから

なんとなく今日も先を急ぐよ

ああなんならいっそ
キスのひとつでも奪って
君にも僕を残しとけばよかったって

今日もまた
雑踏のなか
君を一人   祈るよ
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