目を開いて/薫子
 
不確かなものに
願いをかけるのは

目をつぶりながら
道を歩く事に
似ている

人は皆
目をつぶって
街の喧騒の中を
歩かないのに

人生の道は
目をつぶって
歩きだがる

道は目に見えるし
標識があるけれど


大概の人生には
道しるべも
カタチもなく


自分で
形どり

自分が標識に
ならないといけないから


決めることが
怖くて
皆、目を瞑る


失敗を恐れて
目を瞑る


目をつぶってしまうから
思いもかけないところにある
穴に落ちてしまう


失敗は
なんとなく
この
穴に落ちてしまうこ
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