neighbors/ホロウ・シカエルボク
おれの素晴らしき我家の隣には狂人が住んでいて、朝から晩までこちらの暮らしに聞き耳を立てている、頭を掻く音、鼻を掻く音、耳を掻く音、歯を磨く音、すべての音に文句を言って、それでまともだと思っている、おれのパーソナルコンピューターの画面をどういうわけか覗いていて、おれが閲覧しているものに猥褻な要素があると当然のように文句を言う、覗いている自分のことはなんとも思わないらしい、便所に入れば糞小便の音に耳を澄ませ、屁の音が五月蠅いだの、パンツを穿きなおすときに肘が壁に当たる音が五月蠅いだのと文句を言う、そしてそれを正しいことだと思っている、覗いている自分のことはなんとも思わないらしい、こうしてワード
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