爾来/もっぷ
 
夕陽は語ってくれる
今日の抒情を余すところなく
そっとほがらかに やがてしんみりと

燃えながら終わりながらやがてほんとに 死ぬ まで

自らの何すらを惜しむこともなくて
この町の誰に向かってでもなしに
けれど
「私に」と 独りにひとときの夢のような
足を止めてため息とともに見送る
待つひとのない私に

そして残されて 覚える靴の重さ


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