名前/
水宮うみ
未来に名前を奪われてしまった。
鉛筆削りの音を聴いた
ざりざりと、懐かしい音を聴いた
名前を知らないわたしが聴いた
名前を知りたいわたしが聴いた
鉛筆使って、あるかないか分からない未来を書く。数とか、絵とか、詩とか
文字を書く音が、あいうえおって音に聴こえて、わたしは名前を取り戻した
未来で鉛筆を削るわたしたちは、ことばのことを何と名付けるんだろう
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