夏の終わりに/
坂本瞳子
砂の感触が足の裏に残っているから
この瞼は閉じないでおこう
まだ眺めていたい景色があるから
この手はつないだままでいよう
眠ることも
食べることも
忘れたままで構わない
朝も昼も
一晩中という名の永遠が続く
渇いた刹那
耳に当てた貝殻が響かせるよな
シーツの波
衣擦れの音は心地良く
窓辺に安らぎをもたらす
満ち足りた時刻を
あなたと共に
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