ブローニングM1910/ホロウ・シカエルボク
 
いくつもの美しいあかりが
真夜中の街路で飛び散る
若者たちは短い騒乱の中に飛び込んで
明日など要らないとうそぶいて見せる
ひび割れた舗装に隠された置手紙には
取るに足らない歌い手が書き殴ったさみしい詩
激しさが虚しさに過剰な火をつけるとき
キャデラックのホーンが高らかに鳴り響く


どこかの庭先から逃げてきた鶏が
いかがわしい儀式の生贄になる
血の聖杯を飲み干せ、呂律の回らない神官が
もったいぶった調子で呪いの始まりを告げる
二束三文の舞台だ
古代から繰り返されたいかさまの催しだ


アンジー、おまえのブーツは
この街を歩くには煌びやかすぎる
おれの部屋で少
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