ギャスパー/坂本瞳子
書いても書いても気に入らないのは
伝えたい想いが零れ落ちんばかりに溢れているのに
口にすることができない言葉のようで
それらしいことを書き出すことはできるけれど
なんだか乾いている気がして
生気が感じられない
嘘っぱちなこの世の中で
世知辛い日々が続こうとも
本当の気持ちとだけ向き合っていたいのに
不器用で
とてつもなく要領が悪くって
ときどき分からなくなる
ときどきは分かるだけいいのか
溜息を一つ
また一つ
なにも解決しないけれど
自分の存在を確かめることができる
また一つ
奈落の底へと歩を進めてしまったと
そんな気はするけれど
まだ這い上がらなくていい
そんな風に思ってると
きっと一生這い上がれない
けれど
ここでこうやって踏ん張っている
そう
まだまだもそっと
やっていく
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