秋のお財布/もっぷ
 
享楽し、憂愁する人間らしき行為言動を/文学評論 漱石


ほどほどのかなしみやほどほどのしんみりが
うつくしく売られている骨董通り界隈
秋のなか 求められ 飾られたり 楽しまれたり
利用されたり
私のお財布はまじしんみりとする
冬ど真ん中の胸中を察して朝が来た
夢から覚めて 自前の憂愁にどっぷりと浸かる
、十月十八日きょうも
生きている。


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