自我境界線上のアリア/紫音
 
掴めそうで掴めない霞のような現実
浮遊する心が忙しない廃墟をすり抜ける
あたしはあたしが感じるほどあたしじゃなくて
あたしはあなたが意識するほどあたしじゃない
見上げた空のどこまでも続く世界に
あたしが拡散して希薄化して溶けていく
キスをしているあたしはとても客観的で
現実という世界は創られたリアルに彩られる
とても愛されているはずなのに
それはとても他人事のようで
美味しい料理を目の前にしても
美味しいと感じるあたしはあたしじゃない
あたしと世界を繋ぐ絆は透明で
透明というのはピュアではなくて見えないだけ
「何か」を渇望する脳内麻薬が溢れ出し
見えるもの触れるものが
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