ひそひそ(大きな声では言えない詩)/
やまうちあつし
ひらがなのきみでいて
そのほうがよく笑う
ひらがなのきみでいて
そのほうがよく眠る
書かれた文章は
いつか嘘をつく
だから意味もなく
生きていたいのだ
朝焼けや夕焼けに
驚いていたいのだ
大きなものがきみを見ている
小さなものをいつも見ていて
たとえ会えなくなっても
たとえ忘れてしまっても
明日が月曜日でも
ひらがなのきみでいて
そのほうがよく唄う
ひらがなのきみでいて
そのほうがよく祈る
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