お子様ランチ/桂
ぜて
茶色く濁った飲み物を作り出す
「これは何?」って聞くと
君は両手をあげて首を傾げる
席に着くとナイフとフォークで作られた停止線の前で
停車して君を待つ新幹線のプレート
「いただきます」と元気よく汽笛を鳴らした後
長靴で水たまりの中に飛び込むみたいに
君はスプーンでハンバーグのデミグラスソースをぺちゃぺちゃと飛ばす
ソース塗れの口まわり
汚れたら拭けばいいだけのことなんだよね
思うように動かないフォークにイライラして
小さな指の間に挟んでスパゲティーを頬張る君に
僕は苦笑い
ケチャップライスを半分残して
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