空の端が消えたなら/ブライアン
昔、橋を通った。
日が沈み、空の淵は、青みがかっていた。
女子高生が自転車で脇を通り過ぎる。
車のヘッドライトが、
彼女のこぐ、自転車の、ペダルの反射板を照らした。
銀色に輝く、ペダルの反射板
彼女の揺れる後ろ髪が、
薄暮に滲む橋に溶けてゆき、
トボトボと歩く、
二つの足の影が、
道沿いの街灯にあぶり出される。
コンプレックスと自尊心が
夜に消えていく輪郭のようには溶けてはいかない。
身体の主軸を支える要素のように、
その中心に居座るだろう。
興奮と憂鬱の間に苛まれた欲求は、
そのどちらかをコントロールしたこともなく、
ピンボールみたいに行ったり来たりしていた。
空の端が消えたなら。
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