今日も振り出しに戻る/葉月 祐
あなたの激しい煌めきは
蓋をしても隠しきれない
マグカップで足りる程の
光しか持たないわたしは
指をくわえ憧れるよりも
一体どうすれば
今以上輝きを放てるのか
どうやって飛び跳ねたら
その高さから世界を覗き
沈む夕陽や 昇る朝陽の
何物にも隠しきれない生
暗闇に浮かぶ月を照らす
燃える命の塊が持つ熱に
触れられるのだろうかと
そんな事ばかり考える
そんな世界のドアを探し
そのドアを開ける鍵を
あの終わりを知らない
閃光の中に飛び込んでは
鍵すら見失い あなたの
光に見とれて 目的を忘れていく
つまり自分の輝きの大きさは変わらないままに
呑気に幸せな世界の中で あのおおきな光に焼かれて
マグカップ片手に焦げていく
わたしはまた振り出しに戻るのです
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