秋の花火/湿気る前に/
桂
て
危険な火薬の匂いを漂わせる
線香花火
一本 二本 また一本
袋から花火を取り出しては
それぞれの命を眺める
完全に燃え尽きると
灰になって 秋風に吹かれる
耳元を通り過ぎた灰がそっと囁く
「おまえはまだ終わっていない」
たとえ周回遅れだとしても
きっかけがあれば
命は燃え上がり
輝き続ける
その身が灰になるその日まで...
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