まだまだだ/坂本瞳子
たるんでいる
それだけだろうか
絶対に遅刻してはいけない場面で
どうしてそんなことをするんだ
しかもそれが当の自分だ
この自分自身を許せないという
やるせない想い
この気持をどうやって処理したらいいんだ
熱さは喉元を過ぎると忘れる
時間が過ぎれば
また自分を許してしまうのだろうか
取り戻せない時間
やり直せない過去
言わなければ良かった一言
想い出と呼ぶと
聞こえは良く
美しく響く
なにもかもをかなぐり捨てて
ゼロからやり直したい
そんな都合のいいことは
許されない
だのに自分を許してしまうのか
戒めはいつまで
戒め
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