靴/もっぷ
靴は最初から選びようもなかった
いつかしら迷い込んでいた鏡のなか の既視辺
描いたのは自分じゃない
上書きも削除もかなわない 、かつてだけじゃない
わかっていた災厄へも
たとえ ではなくて一度も脱いだことのない靴で
シナリオの通りに その原作者と出会うまで
みずみずしい再会があるのならば(ある)
葡萄の房のように確かな収穫でした
葡萄は大好物なんです 誓って
うれしくて しあわせで よろこびばかりで たのしいばかりで
先方はこちらの感慨に真贋を求めていないのだから
早く謝意の証に判を押し立ち去ればいいのに
いったいどこへ
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