Ghost House /不安/桂
Ghost House /不安
なかなか寝付けず
何度もトイレに立つ
きっと今夜は自縛霊みたいにしつこく付きまとうアイツに取り憑かれている
神主が大袈裟におおぬさを振るってもきっとこの思いは成仏することはなくて
今はただ「明日が来るのが怖い」
灰皿の上に吸い殻が積もっていく間
奴はそこにいて
僕を恨めしそうに睨んでいる
このままじゃ埒が明かないから
聞いてやる
「お前は何故僕を怖がらせるのか?」
その一言が皮切りになって
会話は始まる
絶望的なイメージの中に
この身を置いて
男の独り言が響くGhost house
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