土曜の朝、手つかずのものはそのまま/ホロウ・シカエルボク
女たちは街路に集まって
気に入らない誰かの陰口を叩いてる
根拠のないことで他人を叩けるなんて
随分と罪深いいきものだ
空はキレの悪い小便のような雨を
昨夜から垂れ流していて
トタン屋根は子供が戯れる
脈絡のないジャンベのようだ
明日は晴れるか、と
窓に問いかけて
晴れたらなにをするつもりなのかと
自問して笑い飛ばした
道端には熟れる前に落ちて
腐った悪意ばかり転がっていて
散歩をするとひどく靴が汚れるんだ
オー、グローリー、ハレルヤ
賛美歌がガラスに傷を引くように流れる
俺は目を細めてテレビジョンを眺める
そのあとコマーシャルのBGMで聞こえた
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