ちいさな恋のささやかな結末/印あかり
 
甘い歌に惹かれた虫を
ぺろりと舐めとって、満足げにわらっている
あなたは可愛らしくて
わたしはどぎまぎした。

金の硬い羽よりも、ふわふわの白い羽よりも
朽ちかけたこの羽を愛してくれたから
わたしは図鑑を閉じて
日溜まりの涙を流そう。

原色の花が枯れたら
絵の具のような味がしそうね、と言っていた。
未練がましく啜っているこの花は
いつまでもほんのり甘く

息をするのを忘れて
いつまでも啜っている。
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