朝のひととき/葉月 祐
ベッドの中という
わたし一人分の天国から
のそりと抜け出し
あくびをしながら迎えた朝
カーテンを開け 光を浴び
青空を見上げながら
残りの眠気を
はらい落とした
シャワーの様な朝陽は
今までよりも少しだけ
温もりが足りない
ハンガーにかけてある半袖を
掴もうとしたその手は
朝の冷えに耐え切れずに
長袖の入った引き出しを開けた
『最高気温は25度』
タブレットの画面の表示を見て
十日程前の気温を思い出す
あの暑さはいつの間に過ぎ去ったのだろうか
長袖でも寒いと感じるので
いつものカーディガンを羽織り
熱いコーヒーを入れる
『最高
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