何かが起こりそうな!/虹村 凌
高校生の頃みたいに
立て続けに三本の煙草を吸う
吐き捨てた唾の泡に
何かの期待を寄せた 夜
何かが起こりそうな呪文を唱えるよりも
何も起こらない夜に
ひとりで煙草を吸う 昭和七十六年
千切るパンの代わりの道しるべは
吐き捨てた唾の泡と セブンスタァ
Another Year on the Street
手をつないで歩く 昭和七十八年
積み重ねる愛の言霊の代わりは
消化不良の互いの欲だった
You can talk to me
If you want, you can talk to me, com'on
覚え立ての煙草をふかしながら眺めた
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