蛾になりたい/ピッピ
ねえ、いいから
と手を引っ張られ
誰もいない女子トイレに連れて
から
か
ら
少しだけ開けた窓こぼれる斜陽突き刺す
笑顔 舞い込む蝶々を、ちょうどよかった
と少しだけ骨張ったその掌が優しくつつんで、くしゃ
くしゃっ
という 命が終わるのに必要な音を聞いた
わたし、自分より弱い者が好き
含羞んだ 突き刺す斜陽
ら
か
から
閉まる窓舞う羽根命だったもの
わたしね、蛾になりたいの、生まれ変わったら
自分勝手に、行きたい
僕の中で回っていた時計の歯車の音
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