失語の秋/葉leaf
 


通り過ぎていく宇宙の裏側で
時計の針が時を刻むのと同じ速度で
善は一つずつ砕かれていった

冷気が朝の静寂と混じり合い
草の色が淡く変わっていく中で
夢は一つずつ壊れていった

夏に疲労しながら夏に育てられて
平板な憩いへと落ちていく限界で
愛は一つずつ死んでいった

戻る   Point(1)