雨やみ上がり虹のハシまでいと電話するすると吐く恋人のサギ(ゴル投稿長考版)/高橋良幸
純粋にコマーシャルの陽気な音楽に踊らされたという理由で
白老の海が消波ブロックに砕けている傍を車で
クーラーに何かを充填しなければならなくて
充填しなければ冷房が効かない夏の日
波の音と
風の音と
エンジンの音をむき出しにして
法定の60km/hが後方に遠ざかっていくスピードで
流体となった2車線の片方を走っていた
製紙工場の臭い煙が
こよりのように尾を引いていく
青看に登別の文字
の・ぼ・り・べ・つ!と言えば
く・ま・ぼ・く・じょう!
(クマ牧場!)に併設された資料館には展示がある
アイヌにとってクマは山の神だった
僕らはコンクリートの壁の上で100円の乱切り
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