ホンネ/曇った窓/桂
ホンネ/曇った窓
#1
冷たい風が吹いて表面を曇らせた窓
一方的に語りかけられるおまえの主張に
俺は心の内を打ち明けることはできない
混ざり合うことのない温度差
窓をつたう水滴がこの不毛な話し合いの答えだから
この窓は曇らせたままそっとしておくべきだ
適当なところで自分を曲げてつけた
折り合いの折り目はクセになって
俺達は挨拶を交わす程度の関係で止まっている
#2
窓際のテーブルの上に置いた
氷の入ったグラスとJack Danielのウイスキー
ボトルから注がれる茶色い液体見て思う
氷が全て溶けるのが先か?
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