夜空の雲は灰色で/
坂本瞳子
哀しい想いをしたときには
夜空を見上げると
稀に灰色の雲が流れてゆく
そんな不安な姿を眺めては
気持ちが和らぐ
速くないスピードで
浮いているだけのようで
どこへ行くともなく
目的もないさまは
自らと重なるのかもしれない
あの雲に飛び乗ることができたとしても
きっと楽しくはない
筒抜けて落下してしまうかもしれない
その方がむしろ楽しいのではないだろうか
片足曲げて
今日も不安定に生きてゆく
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