夏が走る/星丘涙
 
救いを求め 平和を求め 快楽を求め 

いや何を求めているかはどうでもいいのだ

とにかく欲するままに 生きる為に 訳も解らず

この夏を 汗を流し 走り暮らしている 




やがて初秋の風が吹けば

皆 夢から覚めるのだろう

懺悔したり

喜んだり

焦ったりして

正気を取り戻し

冬に向かい 途方に暮れるのだろう

それまでは この夏を走るのだ

夏の渦に呑まれ 巻かれ

夢を見続けるのだ

ひた走るのだ

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