金井雄二詩集『朝起きてぼくは』について/葉leaf
 
のの見方をする。

怖い夢をみたという
どんな夢だったのとたずねると
お父さんが口をあけて寝ている夢だという
そんな夢
何も怖くはないと思うのだが
心の奥底にある
見たくないものを
不意に見てしまうと
どんなものでもすべて怖いかもしれない
       (「子供が見た怖い夢」より)

 金井の詩は確かに「生活」の世界を描いており、異なった固有の世界間での共有不可能性の問題は生じない。だが、同じ「生活」の世界の中での微妙な裏切りを描いていないだろうか。それは世界を構成する原理が異なるという次元での裏切りではなく、まさに世界を構成する原理が同じだということに基づく信頼があるが
[次のページ]
戻る   Point(3)