オリンピック前夜/初谷むい
 
わい日々を過ごしています。オリンピックは4の倍数のときに起こるんだって、夏と冬とばらばらに来るのだって、それはこの星ではわたしたちと逆の人たちもいるのだって、だれも教えてくれなかったからさいきんじぶんでわかりました。あなたがにこにこしてくれることで息を吹き込まれる魚のようなものがいて、それにきちんと気づいていてほしい。走れる足を持っている、だれもが。夏は図書館で寝ている夏は、それでも夏で、みんながぬるい空気でうかびあがって、それが空のようでいとおしかった。ラブソングがほんものになる夜もあるね、そのときにあなたの寝相がくるしくないといいな。げんきでいてねって大きな声でひとりで言ったらとても元気が出たんです。夏が終わったら、ゆっくり伝わるはずだから、あとちょっとだけまともでいてください。それでは、愛を込めて、また。}
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