蜘蛛/田園
ぷらり
蜘蛛が空から垂れてくる
私は呆けてそれを眺める
あなたは私の「蜘蛛の糸」か
そう問いながら
糸をすくって
この指の中にゆらゆら揺らしてみる
無防備にぶら下がった蜘蛛は
到底ほとけの救い主とも思えずに
ははは
渇いた息を吐く
君は家をつくるのか
そして蝶をとらえるか
だが今は私の指の先
ゆらゆらゆらゆら揺れている
ごめんよとまた息を吐く
意味など無いのだ
ただの呼吸音
さわさわと足を動かしている八本足の
生き物は
ぽっかりと空中に浮かんだ一体の
熱
殺そうが
殺されようが
何かを思う暇など無いのではないかな
ただ衝
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