月の村/AB(なかほど)
凸凹配位座はいつでも漂っていて
なにかの拍子に
繋ぎ合っている手のひらの合間にもある
ついさっきまで当たり前のことが
風ひとつ吹いただけで
何ひとつ理解できなかったり
その道理に畏れたり
わかっているふりをしながら
何ひとつわかってはいないのだろうけど
当たり前のように
田植えのすっかり終わった頃
いくつもの大きな鯉のぼりが風に吹かれ
子供の日を学校やテレビで教わった子は
指をさして不思議がる
月の暦では今からなんだ
五月晴れなんてのは今からなんだ
もしかしたら
細胞のひとつひとつに繋がっているかもしれないというのに
凸凹配位座がどこかですり抜けたんじゃ
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