切って縫う/DFW
 


夏の髪は濡れている


わたしの髪が揺れている
遠浅の海はそのなかで年老いていく
形態が機能に従い
それぞれの行為が所定の位置に置かれていく


気晴らしのような裁断の美しさは
それはそれとして分裂、いや放棄しながら
語りつくされないものの姿勢で縫製された
物乞いの上着のような夕空を
それぞれの面が最初の層に引かれ、めくれた空白の羽根となり
ワタリドリのように横断した


夏のうね曇にまでとどいた塔の貯水槽から
投与される
点滴 を 、
写実の
水粒を


稠密する不毛性の
また



推移しながら重ねられ
溢れながらも汲み
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