不平と不満/坂本瞳子
 
両手を水平に広げて
左の足を後方へ
右足と九〇度になるように上げて
そのままの姿勢を保ち
スケーターになった気分で
バランスを保つ

ただそれだけのことなのに
この身体は揺らぐ
自らの貧弱さを恨めしく思う
誰をも責めることはできないが
そして
強靭な肉体を求めてもいない

ただ
現状に文句を付けたい
それだけのことだ
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