あの日の夏の蒸発/ホロウ・シカエルボク
崩落した道を見下ろす
堤防に身体を預けて
夏からの束の間の避難訓練
午後の約束は先延ばしになって
それ以外の予定もなくって
戻ることも出来たけれど
久しぶりにコーラが飲みたくなって
潰れたコンビニの駐車場で
二〇一六年の缶コーラ
あの頃みたいに喉を鳴らして
ひと息に飲みほすことは出来なかった
あの頃よりもずっと
カラカラに渇いていたのに
自販機の横では
「ハッピーで満たそう」と書かれた
フラッグが揺れている
潰れて一〇年は経つコンビニの入口で
強烈な太陽がいびつな影を作る
ふと、そう
堤防を降りると
幼いころによく
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