声の粒/
もずず
つかみそこねた声の粒が
まるで赤い宝石のように
風に舞って堕ちていく
はらはらと
ぬるっとした感情を持て余して
動けなくなった
なんで手に入らないんだろう
時空の歪みに心を寄せて
そしてまた動けなくなる
感情はどこまでもぬるく
季節はどこまでも冷たく
心をここに置くことも出来ない
だからと言って前にも進めない
あの日もらった首輪は
ぬるく
冷たく
今も体を締めつける
ここにいます
ここで待っています
声の粒を集めながら
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