真夏の図書館/百均
 


真夏の図書館で、
かび臭いエアコンの空気を嗅いだの、
と、
本棚に本を返す司書は、本が嫌いだといった、

空想を広げる前に、小説は冗長だ、長すぎる他人の話はうんざりで、
やっぱり海に勝てるものなど何一つなく、
どこにも物語はあるが、素晴らしさに限りなどあった、
道行く人たちの会話に耳を澄ましていると、目の前に静かな図書館がある、
あの、
空想の詰まった4階の閉架書庫は、もう10年前に読まれた切りの、
かび臭い言葉に包まれた、
病気になった稲を摘んでちょっとだけ口に含んでみよう、
夏は長く、
そして本には、
多分大事なことが書かれているんだろうな、
それは今のわたしにとってあまり必要な物ではない
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