夜を千切り、張り付ける、呆然とした画用紙の上に。/ホロウ・シカエルボク
 

首を幾度か右に左に旋回させて通電を試みるも、精神はどこか奥深くへ潜り込んでいた、日付変更線を少し過ぎたあたり、床に突き立った一本の小枝だった、これはなにかの目印だろうか、それともどこかから投げ出されて、ただここにあるだけのものか?答えなどどちらでもよかった、思考が可能かどうか確かめただけ、ただそれだけ


首筋に溜まった汗を拭うと今日が鱗のように剥がれ落ちて行方不明になる、きっと果てしなく時間が過ぎた後に干からびて見つかるだろう、真実なんてたいていそういう形でしか認識出来ないとしたものだ、隣の空地におかしな鳴き方をする子猫が数日前からずっと居て、窓辺に居る限りそいつのことを気にする羽目に
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