蛙になりたい/坂本瞳子
 
汗に塗れた自分の身体が
悪臭を放っているのではないかと気になる

居心地の悪い想いを拭えず
いたたまれずに苦笑いをしてみる

誤魔化したい逃げ出したい
だのに身動きがとれない

拷問を受けているかのごとく
灼熱の太陽に灼かれている心地さえする

救いの手は差し出されることなく
この渇きは癒されることはない

いっそのこと井戸に嵌まりたい
誰にも見られず気づかれず

奥底へと沈んで潜み
冷ややかに余生を送る

それでもいいとさえ思う
今の苦しみに比べたら
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