ドールハウスの/ゴースト(無月野青馬)
星は地上に落ちてくる
宿る体を探しているのか
「僕」は
自分が
人形なのかどうか
知らなかった
街のイルミネーションは
イミテーションとイミテーションなのか
知らなかった
「僕」は朝を向かえることばかり長けた
物語では
銀河に鉄道が走り
川の石はメルヘンを
春の日は破調を語る
けれど
「僕」は
生きているようでいて死んでいるよう
起きているようでいて眠っているよう
自分の星を自分に入れられるのは自分しかいないのに
「僕」は人形のよう
星は落ち続けている
宿るべき体が見付からず
イルミネーションとイミテーションとイミテーションのグラフィックへと
落ちて
割れているよう
戻る 編 削 Point(1)