A Poet/マッドビースト
 

 旅立ちの鳥は 
 透き通る光は
 風浴びる葉は
 ものいわぬ詩人

 羽ばたきが
 きらめきが
 さざめきが
 彼らの言葉

 不器用な友は
 無口な父は 
 すれ違う人は
 言葉を必要としない詩人
 
 泣くことが
 背中が
 落ち着かず歩く様が
 彼らの言葉

 喜びも悲しみも愛情も
 夏も思い出も憧れも

 溶け合って流れる
 世界の空気は詩でできている 

 僕は
 詩を"詩"と名づける詩人
 言葉なき詩を訳し
 いつもなにかが足りないことが
 おそらくは僕の言葉
 
 

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