密度/DFW
かみひとえで間に合わなかった
決意の、剥製を
溶けかけた終着駅にさらしている
草が生い茂り
傾いたプラットホームの白線が
一から始まり一で終わる全てをさえぎり
オポチュニストな私に
一定の翳りを叩きつけてくる
サイレンが鳴り響く
きみは
遠く 、
揺すれ 消えた
居場所を誤魔化せずに足踏みしていると
樋をつたい、肩を濡らす
一人称と目が合う
うずたかく建設されていく
溜め息の密度と
独りよがりの
摩擦
錆びた、方向のないレールに悔しさを押しつけて
大きさのない空間を積んだ列車の到着を待つ
0の重さをはかろうと差しだした
腕の旋律は風に消え
最初の丸みを取り戻す夜の地球が
霧深いアザの周縁を
無闇に裂こうとする
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