二季応禍/木立 悟
 







断頭台(ギロチン)に葛ちらせて骸酒(むくろざけ)



片目あけ光の血まみれ五月雨夜



岸に降るけだものひとり振り返る



撃てという声する方に夏ひとつ



菓子の出る蛇口ひねれば水無月粉



均一に澱んだ午後で切る眼かな



音の無い音の径端ゆらす月



騒がしく虚空を運ぶ枯れ穂かな



夏の芽に触れる者から冬になる
















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