真綿に染み込むように涙して/
KEIKO
彼方は優しい
彼方は私を真綿で包む様に
雨の日には傘を差しかけ
一粒の雫にも当てず
雪の日にはコートに包み
一片の雪弁にも当てず
また同様に一粒の涙も
私に降らせることも無い
そう、一粒の涙も
彼方は優しく私をこの上なく愛している
満足させてくれる
彼方は私に一粒の涙も降らせることは無い
今夜も彼方とは違う誰かとの過去に囚われ
私は涙するというのに
彼方への罪悪感でもない気持ちに苛まれて
涙するというのに
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