誰かが降り続ける/ホロウ・シカエルボク
 
、美しい言葉に耳を貸すな、純粋なんて生きていく役には立たない、純粋に限ったことじゃない、すべてを生きなければ、すべてを知ることは出来ない…


簡素な昼食はボディ・ブローのあとのような痛みを残しながら胃袋へと落ちていく、腕時計は自由時間の終わりが近くなったことを告げている、珍しいことじゃない、そんな中で、とても無視出来ないいくつかのもののために、汚れた食いものを今日も消化している、ほんの一瞬だけ太陽が覗く、アスファルトの上でまだ転がってる雨粒が、割れたガラスのようにキラキラとその光を打ち返している、なにも始まりはしない、だが、それでなにかが終わってしまうわけでもない、手をかざして太陽を避けながら歩く、午後にはまた雨が降り始めると小さな電化店の店頭のラジオが面倒臭そうに呟いている、ほこりまみれの水が気化するときの臭いがする。




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