南海の孤島の亜熱帯の竹林/星丘涙
 
  ソテツの葉が絡みついて十年に一回輝く
   
狂おしく悩ましい亜熱帯の夜に何かが生まれる
   
 息を殺して十五夜を待てば銀色に輝く竹林

   闇夜に浮かび上がる竹に虹のウェーブが架かる
   
夜のスコールにうたれ気がついて見れば海蛇が歌う
   
 潮風が吹き笹の葉を揺らし夢の世界に誘うよう

   誰もが見たことのない南海の孤島の亜熱帯の竹林
   
その輝きを見ると息絶えると言う

   
   ゆりの花が咲いたら船を漕ぎ出し見に行こう
   
  銀色に輝く伝説の竹林を 

今夜は十五夜
   
    海は泣き闇が慰めるだろう どうしても一度おがみたい

  誰もが憧れている南海の孤島の亜熱帯の竹林
   
その輝きに魅せられて海の泡になると言う

  

戻る   Point(1)