にじよ/
坂本瞳子
虹が見える二時
真夜中の朝二時
濃紺の闇夜
靄のように
七色の帯が拡がる
けれど対岸に別れた
二児を結ぶことなく
幻影は二次元のごとく
弄ぶ心を二字で書き表す
ことは叶わず煮え湯ならぬ
煮汁を飲まされた気分で
苦虫を噛み潰したよな
顔付きを湛えた美しい女性
の横顔が片時も離れずに
過ごす二時間は矢のごとくに
飛んでゆく
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