yield/ホロウ・シカエルボク
 




結晶を模写したような細工の窓ガラスの粒を数えていたら一日が終わる
口述筆記のような違和感が生じる近しい過去には
巨大な生物のあばら骨が空から落ちてくるなにかを受けとめようとしているみたいな
半永久的な空虚がぎちぎちに詰め込まれていた
だから
喉の渇きを潤すはずのミネラルウォーターは
胃袋ではない得体の知れないどこかへと染み込んでいく
喉を鳴らしながら飲み込むときに欲していたものは
染み込んだ水の行先だったのかもしれない


眠れない夜には昼のように過ごすのが一番いい
次の日のことなど考えてはいけない
無理に横になったりしても矛盾といらだちが生じるだけだ

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