まつかざり/藤鈴呼
 

目を閉じた

ガタタン と 身震いしたかのように思えた身体が
静かに くねる

動かした 記憶などない真の像が
とくん と 波打った

ここは 空電車
誰も 乗ってこない代わりに
黒猫が 活き過ぎる

タイムカードは 打電した
振込は完了した
後は 時を 待つばかりだ

松飾を掲げるには
未だ 早い 季節に

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