「そしていま、最後の曲が消えた」/ホロウ・シカエルボク
 




沈殿と沈黙の
まだらの模様が
僅かに振動しながら
消えていくまぶたの裏
かすれた声の行き先
天井のすみの薄暗がりに
待ちぼうけ食らった今夜の夢は
濡れ続ける表通りの街灯の明かりの下に
もう死んだ人間のトランペットが
ドームタイプのヘッドホンで人生を書置きしている
鼓動はいつか止まることを考えながら
いまは順調に肋骨を持ち上げている
月曜日が始まって一時間と三十分余り
俺はまだ昨日の中で
眠らない理由を箇条書きにする
入浴を省略した肌が
清潔な両生類のようだ
でも、そのおかげで
明日目覚めてすぐにやることがある
どんな片隅にいても
目覚めてすぐ
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